ハンカチノキ
ハンカチノキは、中国の湖北、貴州、四川、云南の各省に自生している中国固有の植物で、高さ10m以上になる落葉高木です。標高2000mほどの山地の日当たりがよい湿った斜面などに多く生育しています。
欧米では、昔から庭木、街路樹などに利用されていますが、我が国ではあまり植えられていませんでした。1991(平成3)年頃から多数の苗木や種子が輸入されるようになり、広く出まわるようになりました。
ハンカチノキという名前の由来となっている2枚の白いものは、中心部にある小さい花の塊を飾る特殊化した葉苞です。苞は初めは淡い緑色ですが、開花と共に白色になり、花が咲き終わり、受粉が終了すると順次落下します。中心部に集まって咲く花には2種類あり、一つは雄しべだけの雄花、他の一つは雌しべが発達した雌花で、共に花びらがありません。
当園にハンカチノキは2本ありますが、向かって左側(南側)の大きい方の樹は、1959(昭和34)年にドイツのハンブルグ大学附属植物園から種子を導入し育成したもので、1985(昭和60)年頃初めて開花しました。向かって右側(北側)のやや小さい方の樹は、小石川植物園から譲り受けた苗を1981(昭和56)年に植えたもので、2003(平成15)年頃に初めて開花しました。花は5月中旬頃から咲き始め、2〜3週間ほど鑑賞することができます。
ハンカチノキについてのパンフレットに、形態、分類、進化、栽培などの詳しい解説があります。入口の受付で販売しています。
- [2002年05月19日 撮影]
- [2002年05月19日 撮影]